昇華転写とは

昇華転写に求めるもの・転写機

転写機の選定

グラビア転写紙を使った量産用の転写機は、ヨーロッパ製の物が古くから存在しました。その設備構成は大掛かりなもので、数百Mのオーダーには対応しにくいものでした。

 

対してインクジェットによる生産は1単位が1M以下からで、これにマッチした設備が必要でした。初期の転写機は加熱を与えるだけの機械が多く、連続安定を目指したパッケージ型の物はほとんどない状態でした。

 

今でこそインクジェットによる生産に合わせた機械が出はじめましたが、各社各様、違いがあります。

 

第一に発色の安定。幅方向、進行方向、どのポイントをとっても色が合わなければ、クレーム対象です。

 

第二に転写紙、生地の走行安定です。投入後に転写紙が流れるうちに、しわが起きてこないよう、防ぐ機構が重要です。

 

生地に関しても、平織りの生地などは伸びることもなく扱いやすい(伸びないことによる難しさも半面で存在する)ですが、ニットのように伸びてしまう生地を、伸ばさず安定して投入しなければ、デザインの寸法に変化が出てしまい、これも確実にクレームです。

 

第三に正確な転写です。プレスに転写紙と生地が入ったら、加圧加熱中は絶対にずれてはだめです。そしてプレス投入時、そして出てくる瞬間に最大のトラブルポイントがあります。長年の経験に基づいたSYSTEMMPの真骨頂がそこにあります。

 

第四に、生地ごとに違う温度、速度をフレキシブルに変更できる柔軟性です。同種の生地を1日中加工することもあれば、サンプル製作時のように数Mづつ条件を変えて転写を行いたいことも非常に多いのです。世界に多いオイル加熱の機械では、これを実現できません。立ち上がり時間も含めて考えましょう。

 

最後に、SYSTEMMPの連続タイプの転写機SDシリーズはほとんどの生地で生地の縮みによるゴーストなどの症状は起きません。機械側に確たる考えを持って対策を施してあります。

 

一部防水目的の厚いコーティングを施したもの、床用のカーペット素材でヒートセットが必要なケースがありましたが、一般アパレル、布帛ではトラブルは起きませんでした。

15年来の社内転写加工実績で、証明しております。

 

以上の点に対策を講じ、インクジェット出力の生産にマッチしたコンパクトなシステムが、多品種少量生産に対応できるものと考えます。